2012-09-30 Sun

9月28日、高松城址薪能を鑑賞しました。
免疫学の大家でエッセイストの多田富雄氏の遺作エッセイ『残夢整理』
で、異色の能役者橋本久間を知り、にわかに能を見たいと思っていた矢先でした。
玉藻城公園の薪能は10年ぶりの開催であるとの事、また、橋本久間の父橋本久太郎が
高松市の出身であったと聞き、能への興味ははさらに強くなりそうです。
この日の演目は狂言『棒縛り』、と能『船弁慶』でした。同じ役者が静御前の「静」と平知盛の怨霊の「動」を「哀しみ」と「怒り」とに演じ分ける対比の妙。
数百年にわたって変わらぬ「舞」と「謡」を数々の名手が演じ、現代の能役者は常に伝説上の役者との比較の下に芸を継承し、練磨していく。そして、なぞらえるのではなく「ただ、ただ、真実」を追求していく。
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